2009/05/02

グラン・トリノ-GRAN TORINO- 



「映画なんて、久しく観ていないな」という軽い気持ちで観に行ったのだが・・・。
アメリカ人の価値観ってこんなんだったっけと考えさせられてしまった。
以下は多少ネタばれ&感想を書き綴っておりますー。





僕はアメリカ人というのが、戦争好きで、この時代に至っても、戦勝の栄光にしがみついているのだろうと少なからず偏見を持っていた。僕は小学生くらいのとき、親父が観ていた戦争映画を一緒に観ていた。そこでは戦争は美しいものとして描かれていた。この経験が僕に曲がった価値観を植え付けていたのかもしれない。
しかし、このグラン・トリノはどうだろう。これは、監督であるイーストウッドの考え(または、脚本家か?)であり、アメリカ国民全体を示したものではないだろう。しかし、僕はグラン・トリノにすごく衝撃を覚えてしまった。ストーリーの詳細は長くなるので割愛させていただくが、簡単に説明すると以下のようなストーリーである。
当時、朝鮮戦争に狩り出されていたイーストウッド演じる男は、愛妻を亡くし、人間関係を自分で考え直さないとならない岐路に立たされる。しかし、戦争で人を殺した記憶に苛まれてか、男は、自分をうまく表現できない。そのせいか、家族や周りの人間から頑固ものと思われてしまう。彼には愛犬とグラン・トリノという愛車しか友達と呼べる友達がいなくなっていた。彼は間違いなく孤独であった。ある日、隣に朝鮮系の家族が引っ越してきた。彼はその朝鮮系の家族をイエローと呼んで、彼らが行う祭事をことごとく嫌った。しかし、ひょんなことから、彼らとの付き合いが始まる。初めこそ、彼らを避けていた男だったが、次第に彼らの文化に心を開いていく。そして、自分の価値観や、生と死についての考えを変えていくこととなる。しかし…。これ以上はネタばれになるため、止めておく。
彼が、朝鮮系の家族や周りの人間に理解を示していく過程が、とても人間臭く、美しかった。

イーストウッドも渋くてカッコよかった。
脚本は、「ミリオンダラー・ベイビー(2004)」で有名な、ニック・シェンクである。彼のインタビューも見つけたので、読んでみるといいかもしれない(http://variety.nikkei.co.jp/interview/2009/04/interview06-1.html)。



グラン・トリノ公式HP




0 件のコメント: